大怪獣
一軒家、というよりは旅館のような間取りで茶色がかった暖かい木の造りだ。
別の階に移動するには少しばかり複雑な構造で何度も迷った。とある階はカウンターもあり、女が接客をしている。
酷く痩せこけた人々の写真を眺めていた、いつだってそんな悲劇が降りかかろうとも思わないからだ。
めかした友人が腹から血を流して横たわっている。痛かったよね、と憐れみの言葉を投げかける
自分らが死ぬのも時間の問題だと悟った
"4階から移動する足音がきこえたかもしれない"
相方が自信なさげに言うが、賛同する空気ではなかった。不安が募る
私達は大怪獣の気紛れに脅かされているのだ。いわばGODZILLAか。
相方がいたずらに「GODZILLAここにいるんでしょ〜?出ておいで」と襖をノックする。
馬鹿、不謹慎だ、ノックをするなと心の中で憤りを感じていた。予感は的中し、大怪獣が近づく音がする
私達は布団の中で丸くなり、諦めを含んで手を合わせた。
気づけば森の中にいた
怪しい男が話している、GODZILLAのキーマンになることは間違いない。
私は木を登ったりして、逃げる術を考えていた、
だがきっと私達は救われたのだ
後光の差す、木漏れ日の照明に照らされてそう思った。