長い悪夢

これは私の夢の中

人身売買

私は私でなく、某芸人の体だった。現実でなにか見た記憶もなく脈絡は曖昧。

 

スーツの男に10分でブツを売ってこいと生々しい、臓器の詰められたジップロックを渡される。
監督と呼ばれる先輩も同行した。そいつはヤクザとは思えないような優しさに溢れた人間だった。

二つ折りの携帯を渡され、母親に掛けたという。
電話に出ると懐かしい声がする。
生きて帰るのは無理だろう、

母の「4月頃に出した店はどうしたんだい」という問いに「ああ、もう今はやってないよ。」頼りない声で答えると咎めることもなく、返事が返ってくる。

「今までありがとう、実は危ない仕事を今からやるんだ。だから電話をかけたんだ」と涙ながらに伝えるとさっきとは一変した怒号が飛び、即座に切った。車に乗せられ一同でどこかへ向かう。

すでに、提示された10分を超えていた。